読書レビュー「ダウン症ガイドブック」井野本優樹/ダウン症児の親になった時の入門書におススメの本
ダウン症の息子Uが産まれてから約2年間でダウン症関連の書籍を50冊以上読んだ僕が、
その一つ一つを紹介していく読書レビューコーナー!今回はコレ!!
電子書籍で長くなくて読みやすく、すんなり読めるダウン症児の子育て・育児入門書。オススメの一冊です!
「ダウン症ガイドブック」井野本優樹/Amazon Services International, Inc.(2014)
息子Uが産まれて、ダウン症かもしれないとわかり、染色体検査の結果を待つ間、
まずは情報収集だとダウン症関連の書物を片っ端からリサーチしていた時に
電子書籍で見つけて読んだ本。
一番最初に読んだのは前回紹介したマンガだったので、
読書レビュー「ユンタのゆっくり成長記 ダウン症児を育てています」たちばなかおる/ダウン症児を育てるという先行きがわからない不安感を和らげ、明るく笑い飛ばしながら学べるマンガ!
活字本で読んだのはこれが初!
(あれ?電子書籍は活字本と言わないのだっけ?まあ、字のみの本で初めて読んだダウン症関連本です。)
ダウン症児の親になった時に、まず知りたい、気になる情報が、ちゃんと網羅されていた!
目次を見ていただくとわかるように、
「ダウン症の基本情報」「早期療育」「国や地方自治体の制度」
「ダウン症の仕事事情」「ダウン症児を育てる親の心理過程 著者の息子が生まれて1年間の心境」
という順番で、そうそう!と、その時まさに知りたかった情報ですよ!と
突然ダウン症児の親になった時に、まず知りたい!気になる情報が、
ちゃんと網羅されている感じがして、
いきなり選んだ本で、すぐに痒いところに手が届いたような気がして、
すごくありがたく感じた本です。
確かにまず、ダウン症とは何ぞや?という基本情報が気になり、
次にとにもかくにもまずは「早期療育」だと、療育は早く始められたら、
早ければ早いほどいいみたいだけど、具体的にどしたらよいの?ってこと。
そして、まさに国や地方自治体はどんなサポートしてくれるんだ?ってこと。
そうして目先のことに大体見通しがたったら、
まだ、園や学校は?ってちょっと先の未来よりも、この子将来働けるのかなあ…?
やっぱ自立するのは難しくて、我々親や家族がずっと面倒見なきゃなのかなあ?…っていう、
漠然とした結構先の未来の不安。
そうそう、わかってるねー!って感じの構成に思わず感心!!
この著者が「はじめに」で書いていたことを抜粋するに
役所・インターネット・療育センター・保健師等様々な情報ソースを調べに調べ、ダウン症に関する知識を深めていきました。
そして感じた事は
欲しい情報がまとまっていない
部分的な情報しか載っていない。情報が薄い。ウソの情報が載っている。そして調べていくうちに心無い言葉を時には見つけてしまう事もありました。
もっと大きな問題は、本来助けてくれる役所の人たちは何も知りません。知ったような雰囲気で話すのですが、あいまいな言葉で誤魔化したり、適当な情報を伝え、結局間違った情報を伝えられたりしたこともあります。役所の人たち全員とは言いませんが、多くの方が“ダウン症”に関する知識に乏しいのが現状です。
そして日々の忙しさに忙殺され、新たな知識を入れようとも思わないのがさらなる現状なのでしょう。この状況で、ダウン症児が産まれた親達を勇気づける事はできません。だったら私自身が正しい情報をまとめ発信すればいい!と思い立ちペンを取りました。息子が産まれた時に欲しいと思った情報は網羅できたと思っています。
この「本来助けてくれる役所の人たちは何も知りません」ってとこ、初めて読んだ時は
えー!?そんなもんなのねえ…
と驚いたけど、後にこの辺のことは結構痛感することになりましたよ(汗)
「毎日笑顔」「幸せ」の言葉に安心
そして一番印象に残ったのは
「ダウン症児を育てる親の心理過程」に書いてあった
「今我が家には毎日笑顔が溢れています。我が息子のゆっくりとした成長が幸せで仕方がありません。」
という言葉。
そして、
「”ダウン症児の親は我が子への愛から覚悟がうまれる”と私は考えています。
私は我が息子の父親になれて幸せです。」
という言葉。
うんうん、そうか!そうだよねー!!と、すごく安心した。
この章に書かれていた
1. 驚き→2. 悲しみ→3. 怒り→4. 罪悪感→5. 拒否→6. 逃避→7. 不安→8. 受容
という論文的な流れ?や
この著者の、
産まれた瞬間→その夜に医師からの衝撃の告知→その後すぐに妻への告知→1か月後の家族への告知
の流れの話は
きっと多くのダウン症児の親たちには共感できる流れと話で、
僕も、妻や、妻の両親などは、もしかしたらこうした心境なのかも?という参考になりました。
(僕自身や僕の両親などは、ちょいと一般的な方とは変わったマインドの持ち主かもしれない…
ってことは、これまでのブログでも周知の通り??で 笑)
でも、大丈夫!どんなに絶望し、悲しみ、怒り、拒否したり、逃避したりしても、
やがて受容でき、愛に溢れ、笑顔と幸せで溢れる毎日がやってくるんだ…と、
僕も安心したし、きっとこれを読んで、多くの人が安心できるというか、
どん底の気持ちから、ちょっとでも未来に明るい希望が持てる兆しになるのではないかと思いました。
ダウン症児の親になった時の入門書として、なまらおススメ!値段も破格!!
ダウン症児の親になった時に、まず知りたい、気になる情報が、ちゃんと網羅されていて、
体験談もとても参考になるし、なんだか前向きな気持ちになれる!
ダウン症児の親になった時の入門書として、なまらおススメの1冊です!
お値段も破格で、とにかく僕のような突然ダウン症児の親になって
何か情報を求めている人に届けたい!届いてほしい!
という気持ちがあふれ出ているありがたい書!
そして、この本は電子書籍と言うことで、
気軽にいつでも、部分的にも読み返せるし、
当時感じたことだけじゃなく、
後で何度か読み返して感じることもまたあり。
そして今Uくんが2歳になってみて振り返ってみても、
この本の著者の
「我が息子のゆっくりとした成長が幸せで仕方がありません。」
という言葉に本当に共感!
我が家も今、毎日がそんな幸せと笑顔で溢れてます!!
今後もいろんなダウン症関連の書籍を紹介していきます!
こんな感じで、今後も色んなダウン症関連の本を不定期的に紹介していきますね~~!
詳しくはロードマップを作ってみたのでぜひご参照ください!
なんせ、ネタはすでに50冊以上分ありますからね…(笑)
ちなみにロードマップに載っていない本はまだ読んでいないので、
もしおススメの本などあったら、逆に教えて下さ~い!よろしくお願いします!!
-
前の記事
Uくんと同じ2歳の女児の車内放置死亡ニュースに思う… 2020.06.20
-
次の記事
ダウン症の息子の染色体検査の結果が出るまでの約2週間の日々(2018年6月18日~7月2日) 2020.06.23