読書レビュー「いちばんじゃなくて、いいんだね。」松野明美/ダウン症児の子育てを通して、生き方や考え方がこんなにも豊かに変われるのか…と驚き感動する本

読書レビュー「いちばんじゃなくて、いいんだね。」松野明美/ダウン症児の子育てを通して、生き方や考え方がこんなにも豊かに変われるのか…と驚き感動する本

息子が産まれてから約2年間でダウン症関連の書籍を50冊以上読んだ僕が、
その一つ一つを紹介していく読書レビューコーナー!

今回は元マラソン五輪代表でタレントの松野明美さんの著書で、

ダウン症児の子育てを通して、一人の人間の生き方や考え方がこんなにも豊かに変わったのか!
という驚きと感動を与えてくれたこの本を紹介します!!

「いちばんじゃなくて、いいんだね。」松野明美/アスコム(2010)

 

ご存知の方も多いと思うけど、著者の松野明美さんは

ソウル五輪の1万メートル競技日本代表。

マラソンに転向してバルセロナ五輪を目指すも、惜しくも選考漏れ。

その後マラソンランナーとして数々の大会で活躍したり、
タレントとしてバラエティ番組などで活躍したりしていた。

そんな筆者に、重い心臓病を持った次男が産まれ、後にダウン症だとわかり…
その後の苦悩や葛藤、闘病の日々、そして自身に訪れた心境や生き方の大きな変化を綴った一冊です。

目次はこの様な感じ

いちばんじゃなくていいんだね目次

一番以外はビリと同じ

ストイックに1番だけを目指し、
勝てなかったら勝てるようになるまで人の2倍3倍4倍のトレーニングをし、
どんなレースもゴールをしたら倒れるほど全力で走り抜いてきた筆者。

公式レースはおろか、ゲストランナーとして走る地域の大会でも
常に全力で市民ランナー、アマチュアランナー相手に全力勝負でぶっちぎり1位!

練習や日々のジョギングさえも前にランナーが現れたら抜きにかかり、
声をかけられても挨拶も返さず地面だけを見て
ストイックに走ることだけに集中し、
走り抜いたり勝負に勝ったときの喜びはあれど、

走っている最中は苦しく、楽しいと感じたこともなかったという筆者…。

バラエティ番組でもウケるのが1番でないと負けだ!
他の芸人さんとバランスをとって発言を遠慮するなどの配慮は全くせず、
他のタレントさん相手に勝手に勝負をかけ、ハイテンションでマシンガントーク!
共演者やスタッフ、視聴者にまで嫌われることも多かったという筆者…

そんな筆者の元にダウン症の子が産まれ…

「明るく元気な松野明美」のイメージを崩さないために必死に隠し、
誰かに悩みを相談したら「負け」そんな考え方で
誰にも相談できずにいた辛い日々。

しかしそのダウン症の次男·健太郎の闘病と成長の日々を通して、
「障がい」という努力やトレーニングで克服できないものと向き合い、
そして健太郎の日々の成長や笑顔から筆者の考え方が少しずつ変わり…

「人生は競争じゃない、1番じゃなくてもいいんだ」と気づく。

地方のマラソン大会でゲストランナーに呼ばれて、
地元の子ども達やランナーと触れ合いながら、
沿道からの声援に笑顔で応えながら
「走ることがこんなに楽しいなんて!」と思い、

泣きたくなったら泣いてもいい、人に甘えてもいい、
立ち止まっても道草くっても、また立ち上がってそこから走り出せばいい!

1番じゃなくても自分のペースで走ることが一番大切なんだ!

そう180度考え方が変わった筆者が

競争で勝つことしか頭になかった私に、
健太郎はもっと中身の濃い人生を教えてくれた

健太郎が生まれてこなければ、私は一生、
勝負にこだわった狭い生き方しかできなかった

人間にとって一番大切なものを、私は健太郎に教えられたのです

と語るまでになった、その経緯を綴った感動の書でした。

一人の人間がここまで考え方、生き方を変えられるのか…

驚きと感動を感じる書でした。

産まれた直後から心臓に欠陥があるためにうまく酸素を取り入れられずに苦しみ、
体が黒ずんでくちびるが紫色。体重が10キロを越えるのを待ち、
2歳4ヶ月の時に行った7時間にもおよぶ心臓の大手術…。

その後、世間のイメージを崩さないために
その息子の存在をひた隠そうとする葛藤の日々…。

きっと次男·健太郎くんがダウン症に生まれてきたことによって、
松野さんは辛い思い大変な思いを沢山してきたこともよくわかるけれども、

でも、そのおかげで、

生き方、考え方がこんなにも豊かに変わったことは、
本当によかったし、素敵なことだと思いました。

そして息子に想いを馳せる…

僕の息子Uくんもダウン症児として産まれてきて、


幸い松野さんの次男·健太郎くんのように、重い心臓病の合併症などはなく、
普通よりはゆっくりかもしれないけれども元気にすくすくと成長している。

Uくん肩車

はっきり言ってどこの子よりもかわいい!
世界一なまらめんこい!!
(親バカですんません 笑)

でも、確かに、療育だったり、摂食指導だったり、
PT(理学療法)、OT(作業療法)、ST(言語療法)、
今後はきっと進学先の悩みなどなど、
もし健常児だったら考える必要のないこと、やらなくてもよいことなどが必要となり、
この先も大変な部分も多々あるかもしれない。

でも、きっとUくんがダウン症に生まれてきたということが、
僕にとって、僕ら家族にとって、周りの親戚や友達、仲間たちにとって、
決してマイナスではない。むしろプラスのことが沢山あるはずだぞ!

そんな風に僕は自然と思えているけれども、

 

松野さんにとって、いろんな苦労を踏まえても

次男·健太郎くんがダウン症児として産まれてきたことが、
紛れもなく人生をいい方向に変え、プラスとなっていることが伝わり、
すごく嬉しく前向きな気持ちになれる本だった。

なまらおススメの1冊です!

もし、自分たちに、もしくは自分達の身内にダウン症児が生まれて、
この先の人生の先行きが不安で希望を持てないという方がいたら、ぜひ読んでほしい一冊だし

もし、ダウン症や障がいを持った子とも全く関わりのない方でも、

そうした家族を持つということは、決してマイナスなことばかりではない。
かわいそうだなあ、大変だなあ、不幸だなあと思ってくれなくても、
こんなにも素晴らしくプラスになることだってあるんだ!

そんな事をぜひ感じてもらえれば嬉しい一冊です。なまらオススメの1冊です!!

今後もいろんなダウン症関連の書籍を紹介していきます!

こんな感じで、今後も色んなダウン症関連の本を不定期的に紹介していきますね~~!

詳しくはロードマップを作ってみたのでぜひご参照ください!

ダウン症関連書籍 読書レビュー の ロードマップ

なんせ、ネタはすでに50冊以上分ありますからね…(笑)

ちなみにロードマップに載っていない本はまだ読んでいないので、
もしおススメの本などあったら、逆に教えて下さ~い!よろしくお願いします!!