読書レビュー「いっぽ いっぽ ダウン症の娘と共に」幸田啓子 ダウン症のまどかちゃんとそのお兄ちゃんを育てる母の新聞連載をまとめた1冊!

読書レビュー「いっぽ いっぽ ダウン症の娘と共に」幸田啓子 ダウン症のまどかちゃんとそのお兄ちゃんを育てる母の新聞連載をまとめた1冊!

ダウン症の息子Uくんが産まれてから約2年間でダウン症関連の書籍を50冊以上読んだ僕が、

その一つ一つを紹介していく読書レビューコーナー!

今回はダウン症のまどかちゃんとそのお兄ちゃんを育てる母の新聞連載をまとめたこの1冊を紹介!

「いっぽ いっぽ ダウン症の娘と共に」幸田啓子·著/ぶどう社(2009)

夏休み期間に札幌市中央図書館で借りて読んた本シリーズその1!?

いっぽいっぽ表紙

2006年~2007年に共同通信から配信され、全国40社の新聞に載って共感の輪が広がったという、
話題の連載「いっぽ いっぽ」が本になったらしい本書。

著者の娘·ダウン症のまどかちゃんが6年生になるまでの家族との歩み、
著者が「キャラバン隊」を結成して仲間達と障がい者理解のために
「みんなちがって、みんないい」を合言葉に学校などで講演会?ワークショップ??
などをしてまわる活動の紹介、

建築設計を本業としている著者が設計を担当した
知的障害者地域作業所にケーキ工房と多目的スペースを増築したり、
シフォンケーキとクッキー事業の拡充を図ろうと奮闘したり…

将来ケーキ屋さんになりたい!というまどかちゃんの夢もあってか、
いろんな行動を起こして実現させる著者のバイタリティーに感嘆!!

でも、それを特別なことと言うよりは「いっぽいっぽ」自然体でやってのけるような感じがとてもいい感じでした!!

一番面白かったのは6才離れたお兄ちゃんの話!?

「学校からもらってきたプリントを帰ってきたらすぐに見せる」という行動が
習慣化したまどかちゃんに比べて、お兄ちゃんの方がテキトーで習慣化してなかったり

毎朝8時に家を出るとか、生活リズムをテレビや時計でルーティン化しているまどかちゃんよりも、
お兄ちゃんの方が時間を守ることが曖昧になっちゃってる話は、

障がいを持っている人はできない、持ってない人ならできるという固定概念を壊し、
障がいの有無にかかわらず、どの様に習慣を意識的に身につけさせるかだ…
と言うことが感じられ興味深かったですよ。

そんなお兄ちゃんが市長賞をとった作文がなまらいい!

お兄ちゃんが市長賞をとったと言う作文「障害者から考えたこと」というのもなまらよかった。

妹と一緒に障害者の施設に行ったら他の障害者の人に対しては
警戒心や不安を感じてしまったこともあるけど、妹には全くそんな感情を持たないことから、

「きっとそれはその人の事をよく知らないからだ」ということ。

大切なのは「障害者の言動やその人自身のことを理解しようとすること」

「ノーマライゼーション」なんて言葉も飛び出しながら、

理想の社会かもしれませんが、僕達一人一人ができることから始める事で、
いつかは実現できるのではないかと思います

という言葉は、

僕がまさにオリジナルヒーロー·ソーランドラゴンの活動を通して発信している
「できることからはじめよう!一人ひとりがヒーローだ!」
に通ずるところがあって、すごく共感しました。

そしてそこから紛争や国際問題、環境破壊や地球温暖化にまで思いを馳せて、
「みんなちがって、みんないい」「相手を理解する」などをキーワードに論じ、

一人一人にできることは小さくても、皆の力を合わせることで、
世界中が救われることにつながっていくのだと僕は思います。

と締め括られる名作文。こりゃあ間違いなく市長賞だ!僕からもUくんパパ昌樹賞をあげたい(笑)

短いコラムの連続に、わかりやすいマンガページも!おススメです!!

新聞連載用に一つ一つの短いコラムのエピソードの連続に、
書籍化に伴いわかりやすいマンガページも加わり、ススッとすぐに読める、
大変読みやすい一冊でした!オススメです!!

今後もいろんなダウン症関連の書籍を紹介していきます!

こんな感じで、今後も色んなダウン症関連の本を不定期的に紹介していきますね~~!

詳しくはロードマップを作ってみたのでぜひご参照ください!

ダウン症関連書籍 読書レビュー の ロードマップ

なんせ、ネタはすでに50冊以上分ありますからね…(笑)

ちなみにロードマップに載っていない本はまだ読んでいないので、
もしおススメの本などあったら、逆に教えて下さ~い!よろしくお願いします!!